リスティング広告の運用は、課題の分析と改善の連続です。
「リスティング広告を始めて以来、費用に見合った効果が得られていない」
「最近、リスティング広告で依存のような成果が出なくなった」
「広告運用の経験がまだ浅く、何をヒントにリスティング広告の課題を分析すればよいのかわからない」
そんな悩みを持つWeb担当者に向けて、この記事ではリスティング広告で成果が出ないときの代表的な原因5つと、原因ごとの対処法について解説します。
リスティング広告で成果が出ない原因5つ
運用の目的が明確化できていない
第一に、リスティング広告を運用する目的や目標が曖昧なままでは、広告効果は見込めません。
「他社もやっているから」などの理由でなんとなくリスティング広告を始めたものの、広告配信をスタートして以降は放置したままであったり、広告代理店に運用管理を丸投げしている企業は少なくありません。
細かいテクニックの前に、リスティング広告を運用する目的と目標を明確にする必要があります。
広告目的に合った運用指標を設定できていない
一般的に、リスティング広告運用を分析するうえでは次のような指標が用いられます。
- クリック率
- CPC(クリック単価)
- CPM(インプレッション単価)
- CVR/CPA(コンバージョン単価/顧客獲得単価)
- ROAS(総資産利益率、広告費用回収率)
リスティング広告を運用する目的が不明瞭なままだと、これらの運用指標のうちどれを分析すれば良いのかが分かりません。その結果、広告のパフォーマンスが悪くても改善の手立てが見つからないという事態に陥ってしまいます。
広告が最適化されていない
広告の配信設定は、パフォーマンスに大きく影響します。広告の費用対効果が悪いと感じる時は、次のような設定項目が最適化されていない可能性が高いです。
- 広告文
- クリエイティブ
- ターゲティング
- キーワード
これらの項目は、広告配信前から最適な設定ができることはほとんどありません。広告運用を続けるなかで課題を分析し、改善する必要があります。
予算が不足している
場合によっては、広告そのものは優れているものの、予算不足により広告の表示回数が制限されてしまうケースもあります。
リスティング広告では、1日あたりあるいは1ヶ月あたりの予算上限を設定して広告を配信します。例えば1日の予算上限を2,000円に設定していて、昼の15時時点ですでに2,000円分の予算を消化してしまった場合、それ以降どれだけのユーザーがキーワードを検索しても自社の広告は表示されません。予算に余裕があればさらなる成果につながる可能性があるため、もったいないケースといえます。
リンク先のLPに問題がある
「広告のパフォーマンスは好調なのに、コンバージョンに繋がらない」と悩む企業担当者は多いです。この場合、リスティング広告ではなくリンク先のランディングページに問題がある可能性が高いです。
広告主に最終的な利益をもたらすのは言うまでもなく、リスティング広告そのものではなくその先のLPです。LPが最適化できていなければ、どれだけリスティング広告が優れていても費用対効果は向上しません。
リスティング広告を改善するポイント5つ
広告運用の目的と目標を具体的に決める
リスティング広告を実際に配信する前に、広告を運用する目的を明確化しましょう。
広告運用の目的は、数字に落とし込むことでより具体的になります。
<例>
- 昨年対比2倍の資料請求を獲得する
- 来店予約の獲得を省人化し、社員のテレアポ業務をなくす
このように具体的な目的を設定することで、リスティング運用で改善すべきポイントが見えてきます。
自社の広告運用に適したKPIを設定する
広告運用の目的が明確化できれば、次は目的に合ったKPIを設定します。
KPI(Key Performance Indicator)とは、目的を達成するプロセスにおいて達成度合いを評価するための指標です。KPIは定量的なもの、すなわち数字で表わせるものを設定するのがルールです。
例えば、次のようなKPI設定が考えられます。
【広告の目的】
リスティング広告経由で50万円/月の売上を達成する
【KPI】
売上:50万円(売上単価10万円×成約数5件)
▶︎成約件数:5件/月
▶︎▶︎資料請求数:30件/月
▶︎▶︎▶︎クリック数/LP訪問数:150件/月
▶︎▶︎▶︎▶︎表示回数:15,000件/月
▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎予算消化:250,000円/月
★クリック率:10%(クリック150件/表示15,000件)
★CPC(クリック単価):1,666円(予算消化25万円/クリック150件)
★CVR(コンバージョン単価):8,333円(予算消化25万円/資料請求30件)
★成約率:16.6%(成約5件/資料請求30件)
★ROAS(広告費用回収率):200%(売上50万円/予算消化25万円)
このように、最終的な目標からより具体的な指標へと細分化し、自社が目指す目標数値を具体的に設定しましょう。
複数の広告セットでABテストを実施する
広告文やクリエイティブ、ターゲティング、キーワード、などの要素を分析するためには、ABテストが必須です。
ABテストとは、特定の要素が広告のパフォーマンスにどの程度の影響を与えているのかを検証する運用手法です。例えば、クリエイティブが3種類ある場合は、クリエイティブが異なる広告セットを3パターン用意し、キーワードやターゲティングなどその他の要素は全く同じ設定にして広告を配信します。その結果、クリック率やCVRが低い広告セットは配信を停止して、パフォーマンスの高い広告セットは予算を増額するといった改善が可能になります。
ABテストは1回すれば十分という訳ではありません。広告を運用する間は、常にABテストを実施してPDCAサイクルを回し続けることが広告改善の秘訣です。
広告予算を増額する
月当たりの予算上限に対して予算消化のペースが早すぎる場合は、余裕のある範囲内で広告予算を増額することをおすすめします。
予算不足が原因で自社のターゲットとなるユーザーに広告を配信できないのは、大きな機会損失です。損失を防ぐためには、インプレッションシェア損失率、すなわち予算不足により取りこぼしたユーザーの割合が大きいキーワードや広告セットの予算を増額することで、さらなる成果が期待できます。
LPの内容を修正する
リスティング広告の運用においては、広告のパフォーマンスだけでなくLPの品質も追求しましょう。
具体的には、
- LPで訴求する内容は、リスティング広告の見出しや広告文と一貫性があるか
- LPのファーストビュー(ヘッダー)を見ただけで、どのようなターゲットにどのようなメリットをもたらす商品・サービスなのかが分かるか
- 来店予約や資料請求など、ユーザーの行動を促すボタンはわかりやすい場所に設置されているか
- スマートフォンとPCのどちらにも対応したレスポンシブデザインになっているか
などのポイントについて細かく検証します。
LPは24時間365日休むことなく、自社の商品やサービスの魅力をユーザーに訴求してくれる営業マンのようなものです。LPが最大限の成果を発揮できるように、常に内容をブラッシュアップし続けるのがWeb広告成功へのカギです。
Web広告運用はフェイスギアにおまかせください
この記事では、リスティング広告で成果が出ないときの代表的な原因5つと、それぞれの原因に対する対処法について紹介しました。
実際の運用現場では、今回紹介した5つ以外にも様々な要因がリスティング広告のパフォーマンスを左右します。従って、リスティング広告の費用対効果を高めるためには、Web集客全般にまつわる深い知識と豊富な実績が必要です。
そのため、初めてリスティング広告を運用する企業や、リスティング広告の運用して間もないWeb担当者の場合は、プロの広告代理店から運用サポートを受けるのも効果的です。
フェイスギアでは、リスティング広告運用をはじめ幅広い広告手法を組み合わせることで、クライアントごとに最適なWeb集客をサポートしています。
(※)運用する広告の種類は打合せより決めていきます。
次回は「リスティング広告の費用対効果を高める方法」についてです。